みなさんこんにちは。今回は「起業をする時にフランチャイズはオススメ出来ないその理由」をテーマにお話したいと思います。
脱サラを考えている人や起業しようと考えている人であれば、一度はフランチャイズという言葉を聞いた事があるかもしれませんね。
フランチャイズは初めて起業する人にとってメリットが沢山あると考えられていますが、実際はどうなのでしょうか。そのメリットは、デメリットに勝るほどのものなのでしょうか。
そこで今回は、フランチャイズについての詳しい解説から、メリットとデメリットを比較し、本当に脱サラをして起業を考えている人にフランチャイズがオススメなのかどうかまで幅広く紹介していきます。
もしフランチャイズをこれから活用しようかなと考えている人は、少し立ち止まってこの記事を読んでみてから考えてみて下さい。
フランチャイズとはコンビニ等によく見られる形式
フランチャイズは、店舗の繁栄と成功を促す情報や研修、サービスを行う代わりにその店舗のオーナーからロイヤリティ(対価)をもらうという仕組みです。コンビニ等は多くがフランチャイズ契約を結んでおり、コンビニのオーナーはその企業の社員ではない事も多いものです。
フランチャイズ店舗の業績はどれくらい?
フライチャイズ店舗の業績はどれくらいでしょうか。
一般社団法人JFA日本フランチャイズチェーン協会が公式サイトで載せている2018年度フランチャイズチェーン統計調査によると、フランチャイズチェーン全体の店舗数や売上高は以下のようになっています。
<チェーン数>
チェーン数 | 増減 | |
---|---|---|
総計 | 1,328 | -11 |
小売業 | 331 | 18 |
小売業(CVS) | 18 | -4 |
外食業 | 568 | -8 |
サービス業 | 429 | 5 |
<店舗数>
店舗数 | 増減 | 前年比 | |
---|---|---|---|
総計 | 264,556 | 1,066 | 100.4% |
小売業 | 110,245 | 537 | 100.5% |
小売業(CVS) | 58,340 | 384 | 100.7% |
外食業 | 57,743 | -811 | 98.6% |
サービス業 | 96,568 | 1340 | 101.4% |
<売上高(百万円)>
売上高 | 増減 | 前年比 | |
---|---|---|---|
総計 | 26,211,796 | 651,994 | 102.6% |
小売業 | 18,582,597 | 397,003 | 102.2% |
小売業(CVS) | 11,263,479 | 238,239 | 102.2% |
外食業 | 4,268,819 | 74,886 | 101.8% |
サービス業 | 3,360,380 | 180,105 | 105.7% |
この結果から分かる事は、全体を通してフランチャイズ自体の需要は高まっているという事と、店舗数や売り上げも大きく伸びているという事の2つでしょう。
リスクが少ないと考えてフランチャイズを始める人も多いようです。
中でも小売業とサービス業の店舗数増減は大きく伸びており、今後も増え続けると予想されています。
フランチャイズが行なえる業種
フランチャイズを行う事が出来る業種は大きく分けて3つあります。
- 小売業
- 飲食業
- サービス業
小売業の代表例といえば「コンビニエンスストア」です。上述したように、コンビニの店長やオーナーはコンビニを経営している企業の社員ではない事が多いです。彼らのようなオーナーは個人事業主として企業側とフランチャイズ契約を結んでいます。
小売業でフランチャイズ起業をするメリットは過去の売り上げ実績等を参考にしやすいという点、その分析に応じたサポートを本部から受けやすいという点にあります。ブランド力がある企業であればあるほど、サポートは厚いでしょう。
飲食業もフランチャイズ起業をしやすい業種の1つです。フランチャイズ加盟店を募集しているサイトの多くはファミレスやラーメン店、ファーストフード店となっています。飲食業というと、「調理師の免許が必要なのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、必ずしも免許が必要ではありません。必要な資格はたった1つ、「食品衛生責任者」だけです。
飲食業でフランチャイズ起業をするメリットは、調理に必要な機材や食材を本部から安価に仕入れる事が出来るという点です。本部を通して仕入れる事で安全性もある程度確保出来るため、仕入れ段階での腐敗や食品衛生に関して心配が少ないと言えるでしょう。
サービス業のフランチャイズとして挙げられるのは、クリーニング屋や学習塾、レンタル授業等が主です。サービス業ですから人と接する事が好きな人や、コミュニケーションをうまく取れるかどうかが重要であり、他の業種と比べて人選が厳しいと言われています。
ただ設備投資等は本部から支給してもらえる事が多いため、初期投資にお金がかかりづらいというのがメリットです。
フランチャイズの特徴からみる私がおすすめしない理由
上述したように、フランチャイズとは企業側が事業主側に経営のノウハウやツール、研修制度等のサービスを提供する代わりに事業主側はロイヤリティを支払うという仕組みです。
そのため、特徴としては以下のような事が挙げられます。
- 企業側の方針に基づいた経営を行うようになる
- ロイヤリティを支払う義務が発生する
- 経営方針や宣伝は企業側が行う
- 企業と事業主側はビジネスパートナー同士となる
ここから分かる、フランチャイズのメリットは次のとおりです。
<フランチャイズのメリット>
- 企業側のブランド力を活用出来る
- 研修の設定は企業側にやってもらえて、かつノウハウを学ぶ事が可能
- 未経験でも参入可能である
- 企画、開発をやってもらえるため、事業側は実施と運営に集中出来る
- 個人事業で一から運営するよりも失敗のリスクが低い
ですが、これらのメリット以上にデメリットがあるため、フランチャイズはおすすめできません。私がフランチャイズをおすすめしない理由は以下です。
<フランチャイズをおすすめしない理由>
- 企業によっては高額なロイヤリティを支払う事になる
- 人件費等は事業側持ちである
- 同業他店の不祥事に影響されやすい
- 企業の経営方針に従わないといけないため、独自性が失われる
- 運営に関する基本を変える事は出来ない
- 秘密保持義務契約をさせられてしまう
- フランチャイズ契約が終了しても一定期間は同業で開業出来ない場合がある
- 劣悪な労働環境になることがある
以下、順番に詳しく解説していきますね。フランチャイズのデメリットを知らずに始めてしまうと、思わぬ損失を出してしまう危険性もあります。しっかりとチェックしておきましょう。
企業によっては高額なロイヤリティを支払う事になる
ロイヤリティとは、事業側は企業に支払う対価の事です。企業からは運営を成功させるためのサポートや研修制度の導入、ノウハウのレクチャー等を受けられますが、代わりにそれに応じた対価を支払う必要があるのです。
このロイヤリティの額は、企業によって様々であるというのが特徴となります。大手企業になればなるほどロイヤリティは高くなるわけでもなく、中には材料費等にロイヤリティを含ませているロイヤリティフリーの起業もあるのです。
高額なロイヤリティを請求してくる所は、売り上げをしっかりと出さないと支払えなくなるため注意しましょう。
人件費等は事業側持ちである
企業は、アルバイト等の研修制度の企画や運営ノウハウに関する知識の提供、サポート等は行なってくれるものの、実際にアルバイトを雇った時の人件費や物件代金、各種経費等はフランチャイズ加盟店の負担となります。
よくフランチャイズ契約してしまえばお金の心配はしなくていいという考えがありますが、それは大きな間違いです。ロイヤリティの他にも色々な経費がかかってしまいます。
同業他店の不祥事に影響されやすい
上述の統計データのように、フランチャイズ契約をしている店舗は数多く存在します。という事は、ほぼ必ず同じ業種で運営をしている加盟店があるのです。
もし同じような加盟店が不祥事を犯してしまった場合、その風評被害は自身の店舗にも発生する可能性があります。
フランチャイズ契約はお互いにビジネスパートナーであるため、不祥事に対する責任も同等にかかります。常に同じような影響を受けてしまうという事は忘れないようにしましょう。
企業の経営方針に従わないといけないため、独自性が失われる
原則としてフランチャイズ契約をした加盟店は、企業の経営方針に従って店舗運営、もしくは仕事をしていく事になります。
そのため、脱サラをして起業を試みてもどこか縛られているような、独自性や自由がない感覚になってしまうでしょう。やりたい事があり、脱サラし起業を考えた人にとっては苦痛以外のなにものでもありません。
運営に関する基本を変える事は出来ない
上述したように、経営方針や運営の基本は全てフランチャイズを運営する本部が決めます。確かに運営の基本を決める必要がないというのは魅力に思えるでしょう。
しかし、それではずっとフランチャイズ契約の事業主から脱却する事は出来ません。あまり好ましくない待遇で会社に勤めているのと変わらないと言えるでしょう。
秘密保持義務契約をさせられてしまう
会社に勤めていれば、必ず「秘密保持義務契約」というのを結びます。この契約は簡単に言えば「自社の情報はあらゆるものに漏らしません」という誓いです。
フランチャイズ契約の加盟店も本部からサポートのための情報や企画、宣伝に関する情報を得ているため、秘密保持契約を結ばされます。
この事はつまり、もし自分で本格的な同事業を起ち上げようと思っても、フランチャイズ契約の加盟店で用いられた情報をそのまま活用する事は出来ないという事を指すのです。そのため、独自で新しく起業する場合は自分で全てを考えないといけません。
フランチャイズ契約が終了しても一定期間は同業で開業出来ない場合がある
フランチャイズ契約の中には「競業避止義務」という制限を設けている企業があります。この「競業避止義務」とは、例えフランチャイズ契約を修了しても一定期間は同業で開業出来ないという制限を指します。
もし、競業避止義務違反をしてしまうと損害賠償請求を受ける可能性があるので注意しましょう。
劣悪な労働条件になることもある
フランチャイズ店は、勤務するスタッフを事業者で確保する必要があります。そのため、例えば24時間営業のコンビニの場合、店を運営できる人員が集まらないと、オーナー自らが店頭に立って接客しなければなりません。
事実大手コンビニチェーンのオーナー約100人が組合「コンビニ加盟店ユニオン」を結成し、本部へ労働条件の改善を訴えています。ただし、労働組合と使用者との労働問題を調整する中央労働委員会は、「オーナーは労働組合法上では労働者に当たらない」と判断してオーナーたちの訴えを棄却しています。
このような判例から分かるとおり、コンビニチェーンを取り巻く労働環境は、未だに劣悪なままです。
フランチャイズはデメリットのリスクが高すぎる!
フランチャイズのメリットとデメリットは上述したようなものが挙げられます。一見するとメリットもデメリットも同程度の数であるためプラスマイナス0のように思えます。しかしよく見ると、メリットが店舗のオーナー資金や収入に直接良い影響を及ぼすものは少ない事が分かります。
一方、デメリットに関しては「高額なロイヤリティを支払う事になる」、「人件費等は事業側持ち」、「同業他店の不祥事に影響されやすい」、「フランチャイズ契約が終了しても一定期間は同業で開業出来ない場合がある」の4つが事業主側の収入に直接関わってしまうのです。
また、運営面でも自由がないという点も経営上難しくなる事が予想されます。確かにメリットをうまく活用すれば運営の面で苦労する事はないでしょう。
しかし、独自性が失われているという事は、地域やエリアのニーズに根差した運営が出来ないという事なのです。
その地域によって求められている事が出来ないと、店の売り上げやその他の仕事に関する収入も減ると予測され、さらにもしニーズに応えた競合他社が現れた場合、閉店の可能性も考えなくてはいけません。
以上の理由により、フランチャイズで起業をしようという考えはあまりにもリスクが大きく大成功は難しいでしょう。
まとめ
脱サラをして事業主として起業を決めた時、どんなビジョンを思い浮かべたでしょうか。
フランチャイズで成功をおさめるというのはメリットやデメリットを踏まえて考えた時、かなり難しい事がお分かりいただけと思います。
自分のやりたい事をやるための通過点として経験するのは良い事かもしれませんが、フランチャイズ起業で成功させようと考えている人は、自身で独自性のある起業を行なった方が良いでしょう。
また、お金を増やす方法にも投資や副業など、様々な方法があります。自分に合った方法を探してみて下さい。