みなさんこんにちは。今回は「正しい恨みの晴らし方」をテーマにお話ししたいと思います。
誰でも一度は「あの人が憎い」と思った事があるでしょう。「仕事の手柄をいけ好かない先輩に取られた」「付き合っていた彼・彼女を知らない相手に取られた」等理由は様々のはずです。ただ、その多くは時間が経てば忘れてしまうもの。
厄介なのは死ぬほど憎い消えない恨みで、「復讐してやらないと気が済まない」といった段階まで来てしまっている場合です。しかし、本当に復讐をして恨みを晴らす事は出来るのでしょうか。
ここでは、恨みを懐き続けることで生まれるデメリットと復讐という形を用いない恨みの晴らし方を紹介します。いま、抑えきれないほどの怒りに満ちた恨みを持っている人は、是非参考にして下さい。
Contents
恨みを抱き続けるデメリットを知ろう
程度の差こそあれ、恨みの1つや2つは誰でも抱いた事がある感情です。しかし、例えそんな感情が抱いたとしても、いつまでも抱き続けて良いものではありません。なぜなら恨みという感情は、人の心に予想以上のデメリットを与えてしまいかねないものだからです。
まずは、恨み続ける事で引き起こされてしまうデメリットを知りましょう。
負の感情で心が満たされてしまう
人が持つ感情には、「正(プラス)」と「負(マイナス)」といった2つの性質があります。例えば「正(プラス)」の感情とは「喜び」「勇気」「快」「安心」が代表的で、「負(マイナス)」の感情とは「恨み」「悲しみ」「怒り」「不安」「不快」が代表的です。
一般的に、これらの感情のなかで人間がもっともエピソード記憶として残ってしまいがちなのは、負の感情と考えられており、恨みもその1つとなっています。
したがって、今回のテーマである「恨み」は非常に人の心の中に根付きやすく、いつまでも抱き続けてしまうと心の中が負の感情で満たされてしまうのです。
後ほど詳しく解説しますが、負の感情で心が満たされると、現実の世界で当人に起こる出来事も「負」がメインになる可能性が高くなると判明しています。つまり恨みを抱き続けても自分にもよくない事が起こってしまう為、余計に苦しくなるだけなのです。
他の事が見えなくなり色々なチャンスを逃す
恨みや憎しみのような「負(マイナス)」の感情で心が満たされると、他の事が見えなくなる傾向があります。例えば、以下のような経験をした事がないでしょうか。
- テスト直前に不安な分野ばかり気になり、簡単な分野でケアレスミスをしてしまった
- プレゼン前に不安に襲われ、セリフが頭に入ってこない
- 対象への恨みが強すぎて、普段なら喜べる事も喜べなくなってしまった
これらの要因は全て、「負(マイナス)」の感情に焦点が当たりすぎしまったという点にあります。恨みでも同様で、念が強すぎるがゆえに毎日恨みの対象者の事しか考えなくなります。仕事中であっても授業中であっても関係ありません。恨みを思い出す引き金的なワードが出てきてしまうと、一瞬忘れていたとしてもすぐに思い出してそればかりを考えるようになってしまうのです。
もしその最中にあなたの人生を変えるかもしれない大きなチャンスが巡ってきたとしても、恨みを中心とした「負(マイナス)」の感情が強すぎると、それすらも見落としてしまうでしょう。非常にもったいない事です。
復讐した後どうなるか分からない
もしご自身の復讐したいほど恨みを持った人がまだ復讐出来るほど近い存在であり、その復讐を果たしたとします。では、その後はどのように生活をするつもりでしょうか。
- 相手から復讐されるかもしれない気持ちを抱えて生活し続ける
- 復讐を果たしたのだから、すぐに新しい道へと切り替える
おそらくどちらも難しいでしょう。まず1は、言い換えてしまえば恐怖におびえながら生活をする事です。どんなに強い人でも恐怖におびえる日々を過ごすのは極めて困難です。
一方、2を選択しても、復讐するまでの恨みの大きさを考えると簡単に切り替える事は出来ません。ひどい場合は「もっと痛い目に合わせてやりたい」と考えてしまうでしょう。
そもそも復讐というのは、自身に抱かれた負の感情を相手に物理的または精神的にぶつける事です。今まで心の中に満杯だった負の感情を全てぶつけてしまったら、心の中に残るのは虚無感だけになります。また、そこからは負の感情が生まれやすくなってしまい、些細な事でも恨みを晴らしたくなる人になってしまうかもしれません。
つまり、もし仮に復讐が果たせたとしても何も良い事は起きないのです。
周りからも引かれてしまう
人間は、抱いている感情が強いほど顔や態度に出やすい傾向にあります。嬉しい時は顔がニヤニヤしてしまいますし、怒っている時は眉間にしわが寄り、口調が荒くなるのが良い例です。当然、恨みに関しても同じ事がいえます。恨みを抱き続けている人間は目つきが変わり、発言の端々にマイナスな言葉が付きやすくなる可能性が高いです。また復讐を考えているがゆえに、考えや思想が残虐的になってしまう等良い変化は1つもありません。
いくら隠そうとしても、心の奥底で抱かれ続けてしまった負の感情は、無意識に表れてしまうでしょう。そしてだんだん周りと考えや思想が合わなくなり、周りから人がいなくなってしまいます。
心的ストレスがたまってしまう
負の感情というのは、ストレスを生み出す原因「ストレッサー」になりやすいと考えられています。特に不安や恨み等は、いつ終息を向かえるか分からない感情でもある為、心的なストレスを抱える原因になりやすいのです。ストレスが溜まってしまうと、「睡眠不足」「食欲低下」「性欲低下」「疲れが取れづらい」「集中力の低下」といった様々なデメリットを引き起こしてしまいます。
ただでさえ恨みを抱える事自体にデメリットがあるのに、ストレスからのデメリットまで受けてしまっては心身ともに疲弊し尽くしてしまうでしょう。最悪の場合、うつ状態になってもおかしくありません。
恨みと一緒に、当時エピソードまで思い出し、余計なストレスを抱えてしまう
人に恨みを持つ理由は、「自分の自尊心を傷つけられる事をされたから」もしくは「自分にとって不幸になる事をされたから」である場合がほとんどです。なにもされていない人に対して恨みを抱く人はいないでしょう。
多くの場合、人は恨みの感情とともに、そこに至るまでのエピソードも一緒に覚えています。エピソードを思い出すのは、とても苦しくツライ事ですが、恨み続けている間はどうしてもお一緒にエピソードも思い出す事になるはずです。そのたびに余計なストレスまで抱え込むのは、恨んでいる当人も本意ではないでしょう。
恨みを持つほどツライ経験をしてきたのだろうと察しますが、いつまでも恨みやエピソードに引きずられていては、前に進む事は出来ません。恨みもエピソードも頭の中から消す努力をした方が、今後の人生の為になるはずです。
以上の事から分かる事は、恨みを抱き続ける事を甘く見てはいけないという事です。恨みを中心とした負の感情というのは、これほどまでに大きなデメリットをもたらすという事を覚えておきましょう。
復讐せずに恨みを晴らす方法5選
では実際に、「相手に復讐する」という手段を取らずに恨みを晴らす・解消させる方法を紹介します。上述したように、恨みを晴らす為に「復讐」を選択するのは好ましくありません。かといって「恨み」を抱き続けて生活し続けるのはストレス過多になってしまうでしょう。以下を参考に、正しい恨みの晴らし方を実践してみましょう。
恨みを覚える相手から離れる
失恋で悲しみに暮れて負の感情が高まっている時に、彼・彼女と同じ名前が街中で聞こえたり、同じ香水を使っている人とすれ違ったりすると、ふと相手の顔や思い出が脳の中に現れてしまう経験、ありませんか?
この経験のように、前から抱き続けている負の感情というのは、些細な出来事や言葉がきっかけで再び思い出されてしまう事が多いのです。恨みも同じで、恨むきっかけとなった出来事が起こりやすい状況や場所、恨んでいる人物や物が近くに存在するだけで、負の感情はますます高まってしまいます。また近い存在であるほど「復讐」を選択しやすくなってしまうので、まずは恨みのきっかけを作りそうなものから離れるようにしましょう。
ただ、恨む対象が物理的に離れる事が出来ない仕事仲間や、学校の同級生だった場合、すぐに離れる事は難しいでしょう。そのような場合は、必要最低限の会話しかしないと決めてそれ以上近づかないようにするのがベストな選択です。
因果応報を知る
因果応報とは「過去・前世の行為の善悪に応じて現在の幸・不幸の果報があり、現在の行為に応じて未来の果報が生ずる事」です。つまりいま自身が取っているおこないは、いつか果報としてかえってくるという事になります。
もし、自身が恨みの相手を呪ったり、追い詰めるほどの復讐を果たしてしまうと、逆に他人から呪われてしまったり追い詰められるほどの復讐が待っているのです。
ただ逆に、復讐を果たさずに恨みを解消出来れば他人からの呪いも復讐もないまま、今後の人生を送る事が出来るでしょう。因果応報を知って、良い方向に恨みを晴らす方法に切り替えてみて下さい。
自分が幸せになる事が最大の復讐
例え、恨みを持った人に対して「不幸になってしまえ」「思い知らせてやりたい」と考えたとしても、相手に何か出来るわけではありません。またもし何か出来たとしても失敗で終わる可能性が高いでしょう。
恨みを抱いている人が大事にして欲しいのは、「復讐を考える」のではなく「この先、自分がどうやって幸せになれるか」という事です。相手に負の感情をコントロールされるツライ人生を送るのはもう終わりにしましょう。むしろ「この経験は自分の成長の肥やしとなった」くらいの気持ちを持って過ごしてみて下さい。きっと良い方向へ成長出来るでしょう。
潜在意識を書き換える
潜在意識とは、人の心の奥底に宿っている無意識な思想や考えの事です。この潜在意識、最大の特徴は宿っている思想や考えに沿った事象が、現実の世界で起きてしまうという点にあります。これは「引き寄せの法則」と呼ばれており、量子力学的にも証明されているのです。
したがって潜在意識がマイナスに傾いている場合、自身の周りで起こりうる事象はマイナスな事が多く、逆にプラスに傾いていればプラスの事象が起きやすいと考えられます。
また潜在意識は、継続して想い続けた感情が心の中に宿りやすい性質があります。今回のテーマ「恨み」に関しては、恨みを抱き続けている期間が長いほど潜在意識がマイナスで満たされてしまっている可能性が高いです。これでは恨みを抱いている本人にマイナスな事象が引き寄せられてしまうでしょう。ではどうすればいいのか、答えは簡単です。プラスの感情や思想、考えに書き換えれば良いのです。
前述したように、潜在意識は思い続ける事でその感情や思想、考えを宿すようになります。したがって、プラスに働く考えや思想を想い続ければマイナスな潜在意識を書き換える事が出来るのです。
初めは毎日5分でも構わないので「アファメーション(肯定的な宣言)」を作り唱える事から行なってみて下さい。以下は今回の「恨み」に対する効果的なアファメーションのまとめです。この中から選んでも良いでしょう。
- 私はいま抱いている恨みを正しいやり方で晴らす事が出来る
- 私は復讐を選択せずに恨みを晴らす事が出来る
- 私にとって今回の経験は、自身の心を成長させる肥やしだ
- 私はいまこのような経験をさせてもらって感謝している
- 私ならこの経験を正しく乗り越えられる
- この経験を糧に私はもっと人として成長する
- こんな経験が出来てかつ確実に成長出来るなんて、私はとても幸せだ
- 私は数か月後、恨みや復讐が馬鹿馬鹿しく思えている
夢中になれるものを探す
何か忘れたい出来事があった時にもっとも有効なのは、まったく異なる分野や人に積極的に関わりそれに夢中になる事でしょう。オススメしているのは、ちょっとした時間で出来る趣味を見つける事です。自分の趣味を明確に答えられる人は、それに没頭する事で「恨み」や「復讐」を忘れる時間を意識的に作っています。そして心の中に「楽しい」「嬉しい」といった「正(プラス)」の感情を組み込ませ、恨みをどんどん抑制しているのです。
趣味は、夢中になれそうなものでもいま既にやっている事でも構いません。とにかく「恨み」や「復讐」について考える時間を1日のうちから少しでも抑える事が出来れば御の字でしょう。次第に心も楽になるはずです。
ノートに思いの丈をぶつけて捨てる!
人によっては、逆に恨みへの思いを増幅させてしまう方法かもしれませんが、いままで溜め込んできた恨みや怒りをノートになぐり書きするのも1つの手です。先述したように、マイナスな感情を自分の心の中にしまいこんでいくのは精神衛生上よろしくありません。逆にストレスになってしまうでしょう。ただノートを活用すれば、他の誰にも見られずに思いの丈をぶつける事が出来ます。
書く内容や、書き方に決まりはありません。自分の書きたいように書きたい事だけをノートに捨てるようにぶつければ良いのです。一般的には、書く事によって物事をより冷静に客観的に捉えられ、心身ともに余裕が生まれると考えられています。
ノートは最後、捨てるようにしましょう。いつまでもそれを持っているとふとした拍子にまた負の感情や出来事を思い出してしまうからです。
まとめ
恨みは負の感情であり、抱き続けていてもデメリットしか生み出しません。復讐も同様で、例え果たせたとしても心身がすっきりする事はほぼないでしょう。今回紹介した正しい恨みの晴らし方は、どれも相手より自分の中で考えや意識を変える事に焦点を当てているのが特徴です。
人を変える事はなかなか出来ませんが、自分で自分を変える事は可能です。まずはマイナスに傾いてしまった潜在意識をプラスに書き換えるところから始めてみましょう。数か月後、きっと正しい恨みの晴らし方で心身ともにスッキリ出来ているはずです。