皆さんこんにちは。今回は「独立起業をするのに必要な事」をテーマにお話ししたいと思います。働き方改革が加速し始めた昨今では副業や起業を行う人が増えてきました。
ただ、実際に起業をするにしても「何から始めた方が良いのか」「何を準備したら良いのか」「正しい起業の方法はどんな感じなのか」等わからない事は多いでしょう。色々ありすぎて整理出来なくなってしまう人もいるはず。
そこで今回は独立起業をする為に必要な知識を余す事なく紹介します。
正しい起業の方法や、どんな業種で起業を行うべきなのか、その為に必要な手続き等はなにがあるのかをしっかりと解説。この記事1つで正しい起業が出来るようになります!独立起業を目指している人は是非参考にしてみて下さい。
Contents
独立起業とは組織の束縛を受けずに新たな事業を展開すること
会社に属さず、自分で会社を起ち上げる事を大きな意味で「起業」と呼びます。しかし、実際は「独立」と「起業」は分けて考えられるべきものなのです。以下が企業における「独立」と「起業」の違いとなります。
- 独立:勤めていた企業や組織から、束縛や支配を受けないようにする事
- 起業:まったく新しい事業を起こす事
つまり、独立起業とは「企業や組織の束縛を受けずに新しい事業を展開、起こしていく事」といえるのです。
独立起業には様々な準備が必要
独立起業をする際にまず重要視すべきなのは「どれだけ準備出来たか」です。日本は独立や起業に関しては比較的寛容ではありますが、その分継続していく事は難しいと考えられています。生半可な覚悟で起業の準備を行うと痛い目にあってしまうかもしれません。
そんな時に必要なのが「起業までの準備の手引き」なのです。では具体的にどんな準備が必要なのか見ていきましょう。
準備は大きく「ビジョンに関する事」「資金・資産調達に関する事」「手続き・保険に関する事」の3段階に分かれます。独立起業は、これら全てをクリアして初めてスタート地点に立つ事が出来るのです。以下が各部門で行うべき項目となるので、1つずつクリアしておきましょう。
- 自分の売り、長所はなにか「自己分析」を行う
- 起業における大まかなビジョン「未来像」を描いておく
- どの業種で独立起業をするか考える
- 起業は1人で行うか、複数で行うかを決める
<資金・資産調達に関する事>
- 起業に必要な資金をつくる
- 物件、事務所探し
- 融資先を探す
- 自社サイトを作る
- 宣伝活動を行う
<手続き・保険に関する事>
- 起業申告を行う
- 税務関係をどうするか考える
- 保険の手続きを行う
- 申請書等の作成・変更
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分の売り、長所はなにか「自己分析」を行う
独立起業においてまず大事なのは、自分がどのようなタイプなのかを知る事です。また「どのような業種が向いているのか」や「自分のやりたい事とマッチしているのか」確認する事も必要でしょう。
ここでいう向き不向きは「企業が自分に向いているか?」を判断するものではなく、あくまで起業をする事を前提として行なってください。昨今では色々なサイトで起業性格診断等が無料で行なえる時代です。
それらを活用するのもありですし、履歴書やエントリーシートのように、自分の長所や短所、性格等を洗い出して分析してみるのも1つの手でしょう。個人的には両方行ったうえで「今の自分の売りがどこにあるのか」を把握する方法をおすすめします。
起業における大まかなビジョン「未来像」を描いておく
大学に行くにしても企業に入社するにしても、人は何か目標や希望を持って選択するものであり重要です。
起業するときも同様に、「起業をする事でどのような自分になりたいのか」「どれくらい稼ぎたいのか」等を大まかなビジョンとして決めておく事が重要でしょう。ただ単に「みんながやっているから」や「会社に勤めたくないから」だけでは起業出来たとしても継続は難しいかもしれません。
大まかで構わないので、将来のビジョンを描いてみましょう。
どの業種で独立起業をするか考える
将来のビジョンを思い描くと同時に考えておいてほしいのは、「どの業種で起業をするか」です。前職の知識を活かして独立を考えている人であれば、業種を決まっているのでスムーズに事が進みます。
しかし、まだ業種が定まっていない人やビジョンがまだ定まっていないという人はこの段階で決めてしまいましょう。もしやりたい業種が見つからないという場合には、かつてホリエモンさんが掲げた「ビジネスモデル、商売、起業四か条」を参考に業種を選んでみると良いかもしれません。
ちなみに、「ビジネスモデル、商売、起業四か条」は以下の通りです。
- 利益率の高い商売
- 在庫を持たない商売
- 定期的に一定額の収入が入ってくる商売
- 資本ゼロあるいは小資本で始められる商売
起業は1人で行うか、複数で行うかを決める
1人で起業を行うか、複数人で起ち上げるかによっても準備のスピードや役割に差が出てきます。また、いずれ従業員を雇うにしてもフリーランスで個人的に稼ぐにしても現状どうするか考えておきましょう。
飲食店や小売店を経営する場合は当日までにバイトを雇わないといけないケースが発生します。また開店準備に際して準備を手伝ってくれる人も探す必要があるでしょう。
起業に必要な資金をつくる
よく「起業するのにお金は必要ない」という謳い文句を掲げているサイトもありますが、原則としていずれ資金は必要になってきますし、あって損はない為あらかじめ起業前に作っておきましょう。どの業種で起業をするかにも寄りますが、一般的な相場を以下にまとめたので参考にしてみて下さい。
必要な物品・サービス | 相場 |
---|---|
準備の為の交通費 | 5,000~5万円前後 |
名刺・印鑑作成費 | 3,000~2万円前後 |
文房具・ソフトウェア購入費 | 5,000~3万円前後 |
チラシ宣伝費 | 3万円前後 |
Webサイト作成費 | 25万円以上 |
オフィス契約費 | 200万円前後 |
オフィス内装費 | 5万~10万円前後 |
PC購入 | 15万~30万円前後 |
PC周辺機器購入費 | 5万~10万円前後 |
通信回線費 | 3万~4万円前後 |
会社登録免許税 | 15万円 |
不動産関連費(家賃、敷金礼金、仲介手数料等) | 1,00万~2,00万円前後 |
もちろん、これらは業種や起業する形によって額が異なりますが、最低限揃えるにしても1,000万円はあった方が良いと言われています。JFC(日本政策金融公庫)が実施した調査「2018年度新規開業実態調査」によると新規開業にかかる費用の相場は以下の割合であったと報告されているのです。
資金作りはこれらの相場も踏まえたうえで、余裕を持って行いましょう。
資金の融資先を探す
「融資」とは「お金を必要としている人や企業に対し、資金を融通する事」という意味です。つまりお金を貸すという事。上述したように新規開業に必要な費用の平均は1,062万円となっています。以前からコツコツと貯めていた人ならともかく、そうではない人が
1,000万円前後のお金を用意するのは至難の業です。そこで多くの人が活用しているのが金融機関の融資。銀行等の金融機関から融資をしてもらう事で、開業に必要な資金をあっという間に手に入れる事が出来ます。そして、融資された側は月々の収益から少しずつ利子をつけて返済するという仕組みです。
ただし、融資を受けるには金融機関が設けている特有の「審査基準」をクリアする必要があります。どの金融機関に融資を受けるかと同時に、審査基準も確認しておくとよいでしょう。
物件、事務所探し
起業するうえでオフィスを構えるかどうかも考えなくてはなりません。ほとんどの場合は、不動産会社を仲介して物件を手に入れる事になりますので、まずはオフィス経営の物件に強みをもつ不動産会社に相談をしてみましょう。自身の資産となるものですから慎重に選ぶ事をおすすめします。
また、昨今ではバーチャルオフィスといって「仮想の事務所」を作る人が増えています。基本的にバーチャルオフィスを設立メリットは以下の通りです。
- イニシャルコスト(事務所やオフィスにかかる初期費用)の削減
- 都心一等地に住所を構える事が出来る=ビジネス上の優位性がはかれる
- 自宅住所の登記回避が可能
バーチャルオフィスを構える人の多くは、自宅で仕事が出来る人もしくは、リモートでお互いに仕事が出来る人です。
その為カフェ等の飲食店、小売店を経営したいと考えている人は無縁ですが、もしオフィスの必要性をそこまで感じない業種で働くのであれば経費削減の為にバーチャルオフィスを活用してみるのも良いでしょう。
自社サイトを作る
起業する為に必要なものとして「自社サイト」が挙げられます。昨今はほぼ全ての情報をインターネットで取得する時代である為、自社サイトを製作する事はチラシを作成する事よりもマストと言えるでしょう。
自社サイトの製作方法は2通りに分かれます。「自分で作るか」「専門業者に依頼するか」です。前者であれば、時間と労力がかかりますが、費用は最低限に抑えられます。
一方後者の場合は、金銭的コストはかかるものの労力や時間的コストは大幅に抑える事が出来るでしょう。また自分で作成するよりもクオリティが高いものが出来上がる可能性が高いです。
融資を受けて、資金的にも余裕がある場合は専門業者に依頼した方が今後の収益に繋がるかもしれません。
宣伝活動を行う
飲食店やカフェの経営を考えている人は、オープン前に宣伝活動をする必要があります。例えば店の前でチラシを配ったり、店の前に大きく看板を立てて通行人の目をとめたりと方法は様々です。
企業向けの会社を起ち上げた場合はチラシだけではなくネット広告等も利用して宣伝すると良いでしょう。宣伝はオープン前にどれだけ注目を集められるかどうかを決める大事な作業です。なるべく注目を集められるような宣伝が出来るように工夫を凝らしてみましょう。
開業手続きと確定申告の手続きを行う
法人として起業する場合も個人事業主として起業する場合も必ず行わなければいけないのが「開業手続き」「確定申告の手続き」です。会社に勤めていたころ、確定申告は会社が行なっていた為無縁だった人も多いはず。
しかし、個人で独立して起業した場合は最寄りの役所で開業手続きと何色の確定申告を行うかを提出しないといけません。
開業手続きと確定申告の特徴は以下の通りです。
開業手続きの特徴 | 確定申告の特徴 | |
---|---|---|
個人事業主 | ・手続きが簡単 ・社会的信用は低くなる ・個人事業主で手続きをすると法人対応の案件が取りづらくなる |
税理士に任せるか、自分でやるかによって複雑さが変わる |
法人企業設立 | ・個人事業と比べ、手続きが複雑 ・提出する書類が多い ・社会的信用は高くなる ・案件の幅が広がる |
税理士を雇うのが基本 |
法人として開業する場合、最低限必要な書類は以下の通りです。
法人設立届出書 | 提出先:税務署 期限:会社設立から2ヶ月以内 添付書類:登記簿謄本定款の写し、貸借対照表、株主名簿の写し |
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法人税の青色申告承認証明書 | 提出先:税務署 期限;会社設立3ヶ月以内 ※会社設立から3ヶ月以内に年度が変わる場合に限り事業年度内 |
給与支払い事務所開設届 | 提出先:税務署 期限:初回給料支払い日まで |
減価償却費資産償却方法届 | 提出先:税務署 期限:最初の決算日から2ヶ月または3ヶ月 |
労働保険概算保険料申告書 | 提出先:労働基準監督署 期限:会社設立から50日以内 |
以上のように、会社を設立するときには設立する前に期限が定められている書類や、設立から猶予がある届け出まで様々です。共通して言える事は、早めに準備しておいた方が余裕を持って用意出来るという事です。
また青色申告の手続きは、原則として青色申告で申告を行う事業年度の3月15日までと決められています。その為2020年度の申告を青色申告として計上したい場合は「2020年3月15日まで」に青色申告の承認申請書を提出する事になるのです。
青色申告は最高65万円の申告特別控除が受けられるというメリットがあり、これにより所得税が安くなると言われています。その分、日々の帳簿付けはしっかりと行わないといけませんが、昨今では会計ソフトで簡単に帳簿付けが出来るようになっているので安心です。
税理士を雇うか考える
もし確定申告が上手く出来るか心配な人は、税理士を雇うのも1つの手です。
金銭的な負担は確かにありますが、確定申告に必要な書類や記載を全て税理士がやってくれる為、その間の仕事が滞る事も少なくなりますし、なにより確定申告だけではなく資産運用の相談にも乗ってくれる人もいるので、ライフプランを考えるうえでかなり頼もしいパートナーとなるはずです。
会計ソフトのオプションとして紹介制度があったり、税理士事務所紹介センター等もある為、そこに相談をすれば、おすすめの税理士を紹介してくれます。
起業した初年度は、なるべく負担を減らす為に契約するのがおすすめです。
保険の手続きを行う
法人でも個人事業主でも保険に入っておく事はもはや必須事項でしょう。この場合の保険はケガや病気の為の保障保険だけではなく、将来を見据えた貯蓄型の保険も含まれます。税金がいつもらえなくなってしまうかわからないこのご時世ですから、もしもの時の備えはあった方が良いでしょう。
法人保険等は一般の保険屋に限らず法人関係専門の金融機関、または保険屋で相談するのがおすすめです。なぜなら法人保険に強みのある保険屋の方が良い商品を取りそろえている場合が多く、自分にあったものを見つけやすいからと考えられています。
保険は生きていくうえで一生関わっていくものなので慎重に選んで下さい。
独立起業する場合は明確なビジョンと具体性を持ち、余裕ある行動を
働き方改革で、働き方自体にバリエーションが増えてきました。その為起業をする人やフリーランスで働く人が多くなってきています。
ただ独立や起業はただ会社に勤めたくないからという理由や、好きな事をやっていたいからという理由等で始めて続けられるものではありません。きちんとした将来のビジョンや現状の具体性等を持って余裕を持った行動を行う必要があるのです。
人によっては会社に勤めていたころよりハードだと思う人もいるでしょう。しかし、多くの起業経験者はその辛さを乗り越えて企業を継続させています。まずは自分を見つめて分析をしてみる事から、そして始められる準備は早いうちに終わらせておきましょう。
この記事を読んでいる起業を目指す人の成功を心から祈っています。